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*運命の人 運命じゃない人 [家族]

突然ですが、運命を信じるほうですか?
(あっ、別に宗教の話ではないので、ひかないでください)

というのも、夏に「運命じゃない人」という映画を観たのです。
(映画の感想は下に書きますので、よろしかったら読んでくださいね)
その時思い出した私の家族のことを、今日は書こうかなーと。

midori 自身は、若い頃は運命とかいうの全然信じないタイプで、
わりと「人生は偶然の産物さー」なんてその日暮らしをしてましたが、年とってくると、
それでは理屈に合わないことのほうが多いというか、
運命とか縁とかの考え方で済ましちゃったほうがラクというか、
なーんか、自分は例えば人生ゲームのコマで、うえーのほうにいる誰かが
「えいっ、コイツとコイツをここで会わせてしまえ」とか「イエーイ、ここで試練あたえちゃえ」とか
楽しんで動かしてるような気がしてならないのです。
というのも、数年前にこんな話を聞いたからかもしれないのですが・・・。

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久しぶりに実家へ帰って、家族揃って夕食を囲んでいた。
我が家の食卓はいつも賑やかだ。
みんなおしゃべりだし、下手をするとそれぞれが別のことを喋ってたりして、
うるさくて頭にきた誰かが、テレビのボリュームをブオーと上げたりしてケンカになったりする
(アホですね)。

その日もかなり賑やかだったが、ふと会話が途切れたとき、おもむろに母が話し出した。
「そーだ、昔、お母さんが高校生の頃ね、・・・」

母の実家は、ものすごいド田舎である。
人間より牛や鶏のほうが多いような土地柄。
昭和30年代、小学校・中学校は山の分校で、
高校に通うには長時間バスに揺られて町に出るしかなかった。

バス停から家までも2キロ以上あるのに、通い慣れた道は飽きたらしく、
その日、母は友人と一緒に、一つ手前のバス停で降りた。
一つ手前といっても、だいぶ遡るのだが、早く家へ着いても家の用事をやらされるからと、
二人は色づき始めた山道をのんびり歩き始めた。

そこは商店の前で、田舎道には珍しく交差点になっていた。
信号待ちなのか、トラックが停まっている。
と、そこへ、ブロロロロロロロロロというエンジン音を響かせて、1台のオートバイが激突。
ライダーは飛ばされた。
「大丈夫がっ?」トラックから運転手が走り出て、駆け寄る。
「いでででで・・・」ライダーは腰をさすりながらヨロヨロ立ち上がった。
道路脇の草むらに飛んだので、なんとか無事なようである。
「病院さ行ぐべ、乗してやる」
「い、いいです、なんともないから」
「そー言わねぇで。ケガすてっぺ?」
「いや、急ぐから」
と押し問答をしていたら、ヌッと現れた人影。
「乗してもらって病院行きなさい、治療終わったら取り調べるから」
「?・・・わっ」
警察であった。どうも検問中だったらしい。・・・・・・という話。

「停まってるトラックにぶつかってさー、そんでそこに警察もいるなんてねー、
バカな男もあったもんよね、ふっふっふっ」
「バカ。それバカ」
「どこのどいつだ、それ。まぬけな奴ー」
盛り上がっていたので気がつかなかったが、普通、こういうとき一番うるさい父が、
そういえば今日はなんだか静かである。どうしたの?
「それ、・・・オレだな」
「???????? うそぉーーーーーーーーーー!」

父と母の住んでいた市は隣り合ってはいるものの、父の家は海沿いにあり、
二人の距離は20キロほども離れている。
当時17歳の母と24歳の父。
二人はこんなところで出会っていたとはつゆ知らず、5年後に見合いで知り合い、
すったもんだの末結婚するのである。
(父には実は婚約者がいたのだが、母に子供が出来て追い出したのだ。出来たのがワ・タ・シ)

それにしても、なんで何十年前の話が突然出てくるのだろう。不思議だ。
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それまでmidori は、親に対してなんとなく引け目を感じていた(生まれが生まれなのでね)
のですが、父と母は出会う運命だったのだとわかって楽になったし、
そもそもこういう話が出てきたこと自体、
うえーのほうにいる誰かのイキなはからいのような気がしたりして。
なんか正直な実感なのです。

◆映画 「運命じゃない人」 (2005年夏 ユーロスペースにて)
 カンヌ映画祭で賞を4つもらった話題作。
 脚本次第で、こんなに面白い映画が出来るんだァ、と感心した。
 あまりにも予算の無いのがよくわかるつくり。
 出演者もほとんど知らない(ジェームス三木の息子くらいしか)し、セットも美術もチープ。
 でも、よく練られた脚本で、「え? え? え?」と目が離せない。
 これは映画館でなくていい。DVDでOK。
 一人で観てもいいけど、友達同士でワイワイ言いながら観るほうが楽しいかも。オススメ。

運命じゃない人

運命じゃない人

  • 出版社/メーカー: エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ
  • 発売日: 2006/01/27
  • メディア: DVD

 

 

 

 

 

  

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コメント 5

midori

shino様 はじめまして。nice!ありがとうございます。
おかげさまで100nice!になりました。感謝感激!!!
今後もまたご贔屓にお願いいたします。
by midori (2006-01-25 10:13) 

noel

すいません。ツボにはまりました。ワラかしてもらいました。
ありがとうございます。(古い記事にコメントしてごめんなさい)
いや、最強でした。
by noel (2006-09-28 23:06) 

midori

noel 様 nice!ありがとうございます.
ほほほほ.最強.ヘンな親でどーもすいません.
by midori (2006-10-02 12:32) 

Sho

は~、そげなことがあったとですか・・・
その話になったときのお父さん、「ちっ。やな話になりやがった・・」と
心中お察しいたします(笑)。
でもって私も「偶然ならぬもの」を感じるのは、ここ数日やけに
「人生ゲーム」があたまにちらついていたんですねー!
あのマッチ棒みたいな人型ね(笑)
midori さんのお父さんとお母さんは、結ばれるべくして結ばれたのですね。
by Sho (2006-10-09 15:02) 

midori

Sho様 nice!ありがとうございます.
そうなんですよ.嘘みたいなホントの話.
こういうこともあって,私は,
「自分が選択しているようで,実はすべてが最初から決まっている」
という説に大きく頷いてしまうんですねー.
ま,すべて人(?)任せだと思えばラクチンですがな.
by midori (2006-10-11 08:08) 

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