夜明けの夜光虫 [専門学校・バイト時代]
白々と夜が明ける．
徹夜で仕事をこなした頭は飽和状態だ．さ，少しでも寝ておこう．
瞼は一度閉じたら いくら抗っても離れないのに，いざ眠るとなると
頭の芯が冴えて眠りに落ちることが出来ない．
眠りを妨げるのは，そればかりではなく，
手足・背筋の冷えも，胃の渋い感じも，徹夜明け独特の身体反応だ．
年を経るごとに，それは強まってゆく．
一度徹夜をした身体は，一週間ほどバランスが崩れたままだ．
20年前は，徹夜なんてつらいと感じたことはなかった．
そう，20年前は．．．
お金 貸してください [専門学校・バイト時代]
親元を離れて通った専門学校時代の、親からの仕送りは、月５万円。
それらは、アパートの家賃と光熱費を払うと無くなってしまう。
私は食っていかなければならない。
服も着なければ、教材も買わなけりゃ、風呂にも通わなきゃ。
本だって読みたいし、映画だって観たいし、旅にだって出たい。
自由だもん。東京だもん。
その意味でも、アルバイトは慎重に時間をかけて決めた。
２年間、私は ある小さな事務所で働いた。
授業が終わった後、当初は５時から11時までの６時間。日曜休み。
時給は650円だった。
（面接時での社長との話では700円だったが、最初の給料をもらったらこの金額だった。
正直、面白くはなかったが、訴えはしなかった。
間違ったわけではなく、私の働きはこの程度だろうとふんだに違いないからだ。
まぁいいさ、認めてもらえれば自然に給料は上がるはず、と思って かまえていた）
逃亡者 [専門学校・バイト時代]
学校をサボって、友人を誘って水族館に行った。
いろいろ堪能して、最後に屋上に行くと、ペンギンの檻があった。
今にも雨が降り出しそうな寒い日。風も冷たい。
南極生まれ（たぶん）の彼らには、快適そうな天気だ。
おぼつかない足どりの彼らを、我々は「まぬけだなぁ、アタマ悪そぉ」と眺めていた。
視界に白いものが入ったので、そちらを見ると、
１羽のペンギンが、白いものを首からぶら下げている。
それは、
*♪冬が 来ーれば 思い出すー [専門学校・バイト時代]
私は強力な雨女である。
あらゆる行事に、低気圧を呼び寄せる。
（ふだんでも雨が降りそうな時に外に出るとポツポツ始まる。的中率は８割を超える）
20歳の12月に、友人との北陸旅行を計画した。
まさかと思ったが、気象観測至上初めて(当時)の12月の台風を呼び寄せてしまったようだ(汗)。
この３泊４日52000円也のパック旅行の『波乱万丈』を予告するような幕開けであった・・・。
【北陸 珍道中 １日目】
*若者の命は恥より軽い・・・ [専門学校・バイト時代]
いま通勤に使っている地下鉄Ｍ線は、ホーム全体に塀がある
(利用しない人には わかりにくいかなー、線路に降りられないようになっているんです。
電車の乗り降りの際はドアの部分だけが開く仕組み)ので、
人身事故で電車が止まるなんてことはありませんが、
以前はよく遭遇しました。
「ひっ人を轢いてしまいましたァ・・・！」
動揺してつい衝撃的なアナウンスをしてしまった運転手の、
まだ若そうな感じの声に同情したり、
「えー、左腕がまだ見つかっておりませんのでー、（この時点で車内かなり動揺）
見つかり次第、運転開始いたしますー、
え発車まで えこのまま えお待ちくださいー」
と放送する、あまりにドライな駅員の鼻声に困惑させられたり・・・。
そして、自分も事故の餌食にされそうになったことがあるのです。
