*腕時計って、あなたにとって何ですか？：出稼ぎＯＬジタバタ日記：SSブログ

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*腕時計って、あなたにとって何ですか？　[幼児期] [編集]

さぁ、あんまり考えないでお答えください、
あなたにとって、腕時計は何ですか？　ほらすぐに答えんかー、ばかものー

・・・ふぅん。なるほどねぇ。ほーそうきたか。

ちなみに、midori がその質問をされたときは、
「暦」(こよみ)
と答えて不思議な顔をされました。

だって、誰がなんと言おうと「暦」なんだものー。
話はウン十年まえに遡ります・・・

－－－－－－－－－－

前にも書いたが、幼児のときmidori は天才だった(親バカねぇ)。
笑うのも、喋るのも、歩くのも、離乳も、おしめ取れるのも全部早かった。
口が回らないときから本だって読んだ。
でも・・・

時計ばかりは読めなかった。

いくら教わってもダメだった。
読めるようになったのは、幼稚園に行くようになってからである。
必要にせまられて(乗るべきスクールバスを間違うと家に帰れないことがよくわかった)
なんとか習得した。必要は発明の母である。

それはまだ暗黒の時代。時間とは無縁の生活。
明るくなりゃ起き、腹減りゃ食べ、うす暗くなったら家に帰り、星が出たら寝る。
極めて健康的！ナーチュラールライフッ！

でも４歳になろうかという時、その暮らしはひっくり返る。
諸々の事情で、親戚の家に里子に出されたのだ。

その家は、四十代のおばさんと、高校生の娘さんの二人暮らし。
近所に子供がいない。おばさんは家で和裁の仕事をしていた。
必然的に一人遊びである。
「花とむし」というポケット図鑑を買ってもらって、近所の田園を、
ある時は道にはいつくばり(地べたの植物を観察)、
またある時は田んぼの中や森に入って(虫などの捕獲)遊んだ。
寂しい気もしたが、完全に一人で気ままなので、けっこう楽しんでいたと思う。

その家で、三つだけ仕事を与えられた。
・その一：朝おねえちゃんを起こすこと
・その二：お昼になったら知らせること
・その三：４時になったらゼッタイ知らせること

その一、朝起こすのは簡単。
おばさんが「そろそろ、おねえちゃん起こしてきてー」と言うからだ。
おねえちゃんは毎日夜遅くまで勉強をしているので朝は起きられない。
はりきって起こして、時々「midori なんてキライ」などと言われた。

その三、早めに帰っておけば大丈夫。
早い時間から、「もう４時かもねー」と言っておけば、おばさんが自分でチラチラ確認するのだ。
それを忘れて遊んでたりすると、おばさんにものすごく怒られる。
居候の身だし、主人の機嫌を損ねることは避けたい(←子供でもそう思うのですヨ)。
なぜ４時か。それは「水戸黄門」の再放送があるから！
おばさんは黄門ドラマが大好き。特に弥七。

その二、これが問題。
midori は朝から外で遊ぶ。お昼近くになるとおなかペコペコ。
１２時になったらおばさんに「お昼だよー」と知らせなくてはならない。
時計は読めない。「短い針と長い針が一番上でくっついたらお昼だよ」と言われている。
おなかが空いたので、早めに時計の前にいて、じーっと見つめる。だいたい１１時４０分くらいから。
針がくっついたところを見ないと、お昼ではないのだ。

じーっと待っている。もうすぐだ。あ、おしっこしたい。ちょっと行こ。
意外に時間がかかった。時計の前に戻る。１２時をちょっと過ぎてる。

モウワカラナイ・・・

じーっと見る。あれ、針くっついてるとこ見てないのに、なんか離れてゆくぞ。
おなかすいて倒れそうである。でもまだお昼じゃない！
おばさんも４時のときとは違って「あたし一人ならお昼なんか食べなくたっていい」くらいに
のんびりしてるもんだから、midori の苦悩に気づかない。
それでも、１時を過ぎた頃「そろそろお昼じゃないのー？」と立ち上がる。
その場にへたり込むmidori 。

ということが続き、子供用のデカい時計のおもちゃみたいなのを渡された。
で勉強させられた、毎日。
毎日毎日見せられてるうちに、どちらも数が１２区切りなので、
カレンダーとイメージが一緒になってしまったというわけ。
いまでも、例えば「４月１日」と言われれば、頭の中で４時頃の場所のイメージがあり、
８月なら左下、元旦といえば上真ん中のちょっと右寄り。

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というわけで、「暦」としか考えられなかったのです。

ちなみに質問の答えですが、
「あなたの異性に対する考え方」だそうです。
けっこう的を得ているんですよ、やってみると。
恋人には・・・あんまり試さないほうがいいかも(笑)。