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せ,戦争っ?! [高校時代]

それはそれは うららかな昼下がり.
休日の我が家では,
私は読書,弟はファミコン,母は内職の和裁,父は・・・うーん何をしていたんだろう,
妹は部活で留守だった.

突然

ズズズシィィィーーーーーンン 

という大音量が,
静まり返った田園地帯に鳴り響いた.

私は
目を剥き腰が抜け,
手にしていた文庫本がバサリと落ちた.

「・・・せせ,(ゴクリ) 戦争ぉ・・・?」

身を固くして耳を澄ますが,再び静寂が訪れた.

ドタドタドタ

家の中を走る音がして,

「あうぅおわぁっ!!」

庭から父の叫び声が上がった.

反射的に玄関に走り出た私の目に映ったのは,
それは,

大きな材木が1本,
隣家の屋根に落ちている光景であった.

斜めに落ちており,その部分の瓦が砕けている.
ななな,何があったのー?

「○○さん? 大丈夫ー? ○○さん! 何でもないー?!」

父が塀越しに隣家に呼びかける. 
二言三言,やりとりがあり,父は玄関に戻って,また材木を見上げた.
古い建物だったが,幸い,家屋そのものは潰れたりしていないようだった.

「お父さん・・・」
父を横から見上げると,父は腕組みをして うめいた.
「・・・っかー,いくら出しゃいいんだ」
「?」
私はもう一度材木を見・・・

「・・・うえっ!」 
私は呆然とした.

その巨大な材木というのは,
我が家の,
鯉のぼりの,
竿であった.

長男である弟のために庭に立てた竿であったが,
十年余を経て,根本から腐っており,耐え切れず折れて倒れたものらしい.
ちなみに,鯉のぼり自体はもう何年も揚げていなかった.

隣家のおばちゃんが,お宅ではよく事情がわからないらしく,
愛犬のマルチーズを抱いて,サンダル履きでカラコロやってきた.
「たまげたわねー,家の中は大丈夫みたいなんだけどー.・・・うわ!
全景を見て改めて驚くおばちゃん.
うなだれる父と母.

「なんでー? なんで折れたの?」
「あっち行ってろ」
「なんだよーお父さんのケチー」
「ゲームしてろよ,ほらぁ」
「おとーさんのかーちゃんデーベソー!」
「るさいんだよ お前はっ!!」
深刻な我々をヘナヘナにして弟は家に入ってしまった.
そもそも お前の・・・あーもー小学男子はバカだから嫌い.


家自体は大丈夫だったようです.
あれから20年ほど経ちますが,そのまま住んでいらっしゃいます.
今でも その部分は瓦の色が違うので,イヤでも思い出します.
(・・・あの時は,てっきり爆弾だ,戦争だと思いました.ナハハ)






 
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コメント 5

Sho

「戦争!?」
これ条件反射みたいですね。
実は中学生の時、友達と下校途中、近くで家庭用のプロパンのガス爆発があったんですよ。
多分、midoriさんのおうちの鯉のぼりが倒れたときと同じくらいの衝撃だったんだと思います。
ものすごい地鳴りと、空気の破裂音。
ホントに空気がすごい衝撃でズン!!とくるんですよね。
それで、一緒にいた友達が発したことばが

「何・・? 戦争!?」

でも、誰も怪我なさらず、不幸中の幸でしたねえ。
しつこくわけを訪ねる弟さんが、かわゆいわあ。
by Sho (2007-05-20 21:51) 

midori

noel 様 nice!ありがとうございます.

Sho様 どもども.
そーゆー世代でもないのに,つい思いますねぇ,「いくさっ?!」って.
小学男子は,空気読めませんから.もー本人の好奇心だけ.ばか.
by midori (2007-05-30 17:44) 

midori

shino様 nice!ありがとうございます.
by midori (2007-06-04 12:47) 

やきにく

とても愉快な日記をかいてらっしゃいますねo(*^ー ^*)o
また、あそびにきますね♪
by やきにく (2007-07-19 03:10) 

midori

やきにく様 あまり更新できない「へたれブログ」ですが
また遊びにいらしてください.
by midori (2007-07-31 10:59) 

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