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*あぁ男のロマン・・・? [家族]

何か決定的に間違っている気がするのだ。
彼の考え方。
どーにも理解できない。
なんでそうなるわけ?・・・・・・お父さん。

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midori の父、65歳。辰年でふたご座、A型。短気で頑固で暴君、でも子煩悩。
非常に立っているキャラのため、エピソードは数知れず(親子やのぅ・・・)。

【あぁ お父さん  その2】

母の親戚の誘いに乗って、きのこ狩りをすることになった。
母の実家は、過疎の村である。
人間より牛が多い。
乳牛や肉牛の牧場が点在している。
きのこ狩りの帰りに、「子どもらに牛でも見せてやるか」ということになり、
牧場に立ち寄った。
当時まだ幼かった妹や弟は、
牛の大きいことや、おとなしいことや、
牧場の広さなんかに歓声を上げ、走り回っていた。
すでに中学生になっている私は、
牛の落し物だらけの足元に辟易し、あきらめて木の柵の上に座っていた。
むこうから父がうつむきながら歩いてくる。
「どうしたの?」
「んー・・・ひでぇな、こりゃ」
「だって牧場だもん、自由に牛がウロウロしてるんだもん、当たり前じゃん」
「うん、そうだけど・・・」
「もしかしてお父さん、牧場って聞いてハイジみたいなの想像してたんじゃないの?」
からかって言ったのだが返事がない。
「うへーもしかして、草原に寝っころがって、雲見ようとか思ってたんじゃないでしょーね」
返事がないのだ。うそだよね、お父さん。
「やっだー、バッカじゃないのォ?」
父はぷいっと向こうへ行ってしまった。
マジ・・・?
その後、父はずっと機嫌が悪くて大変だった。
あぁ、お父さん・・・当時43歳だよぉ。

月日は流れ、私は上京し、一人暮らしも軌道に乗ってきた頃。
北海道の大学に進学した友人のもとへ、お金を貯めてバイトを休んで遊びに行った。
飛行機嫌いの私は、行きも帰りも電車を利用した。
帰りは寝台列車「北斗星」で札幌から上野まで1本だが、
行きは東北新幹線と、特急2本を乗り継いで向かった。
そのころ出来たばかりの青函トンネルを通って。
朝6時に上野を出て、夕方6時に札幌に着く強行スケジュール。
札幌に着いたとき、実家に電話をした。父が出た。
「今どこにいると思う?」
「なんだ、どっか行ってるのか?」
「うん。北海道」
「北海道? シコーキか?」
「違うよぉ、電車、電車。半日かかって今札幌着いたとこ」
「トンネル通ったのかっ? 青函トンネルだろっ」
父、なぜか興奮ぎみ。
「うん、通ったよ、ずーっと暗くてさ・・・」
「魚見えたかっ?!」
「はぁ?」
「海の中なんだろぉ、すげーなっ!」
海底トンネルだと思い込んでいる父。うーん・・・
地下を通っていることを説明したら、
バツが悪そうにすぐ電話を切ってしまった。
あぁ、お父さん・・・当時49歳。 

51歳になった父に、好きな人が出来た。
「なに、誰なの?!」
父は答えない。
それまで黙っていた母だったが、やっと重い口を開いた。
「・・・ゆうゆ・・・」
「・・・・・・・・・」

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頼む父! もっと大人になってくれぇ・・・

 

 

 

 

  

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japan-a-go-go

こんばんわ~。いや~最後の「ゆうゆ」ってところで
飲んでいた茶を噴出しそうになっておさえたら鼻に入りました。
どうしてくれるんですか~。鼻がものすごく痛いです。
でも久々に大笑いしました。
いや、笑っちゃいけないですけど、お父様にnice!です。
そしてmidoriさんに5000点。はらたいらさんに3000点。
by japan-a-go-go (2005-11-30 00:08) 

midori

moon様 nice!あんがとさんですっ。
やたっ5000点! はらたいらに勝った!
なははは。すまんこって。
今後、moonさんは「ゆうゆ」と聞くたび、鼻の痛さを思い出すでしょう。
(もう聞くこともないかな? アレ?)
ゆうゆの前は長山藍子だったんですけどね。今はどうなっているのやら。
夢見るオヤジな父でした。
by midori (2005-11-30 10:21) 

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