SSブログ

普段は そんなに悪くもないんだけどネ [社会に出てから]

ある週末、実家に帰っていた。
土曜に帰ったのが遅い時間だったので、母とだけ会って風呂に入って寝た。

もンのすごい寝相だったらしい。

着替えを取りに、私の寝ている座敷を横切った高校生の弟が、
「ふげえっ!」
と のけぞり、台所にいた母に
「おかーさんっ! なんかいるー!!(泣)」
と報告したほどの寝相。・・・って どないやねん。

就職して2年目。
仕事が面白くなってきたと同時に、それなりにノルマも責任も発生し、
入ってきたばかりの年上の後輩とそりが合わず、くたびれていた頃だ。

実家に帰って、緊張がほぐれたのだろう、
もンのすごい寝相のまま、熟睡してしまったのだ。

「う・・・・・・」
陽がサンサンと降り注ぐ座敷で、私は目を醒ました。
「久しぶりに よく寝たわい」
起きようとしたが、上体が上がらない。
れ?

まだ頭が起きていなくて、力の入れ具合がまずかったかと思い、
もう一度、起き上がろうとした。

っ痛ーーー!!!!!!

首から背中の範囲に激痛が走り、息が止まった。

や、やべぇ。起きらんねー。

台所にいるらしい父と母を呼ぼうか迷った。
しかし、自分ですら今の状況を把握できていないし、
何度かトライすれば起きられるだろうと思った。
親に頼るのもカッコ悪いし、それより何より、台所の様子を聞いてると、
どうも、その・・・イチャついているらしかったし・・・。

「っくぅー!」
「ふんっ!」
「うがーっ!」
「いんぎぎぎぃ!」
「ほにゃあぁっ!」
台所に向けてアッピールしつつ(けっこう大声で叫んだつもりだが、効果はなかったようだ)、
気合で起き上がろうと試みるが、全然起きられない、上がらない。
上体を上げるには、重い頭を支えるために、首から背中全体の筋肉を使うのだ
ということを、身をもって実感。

1時間ほど格闘しただろうか(いやホント、大げさじゃなくて)、
やぁーっと立ち上がることに成功。
し、しかし、首を そして背中を動かすと激痛が走るので、
腰から上を静止したまま、両腕を妙な角度で上げたまま(微妙に背中が楽な角度があったのだ)
不自然にヨタヨタと歩くことしかできず。。。
(あたしゃ つかまった宇宙人か 泣)

そのヨタヨタ歩きで、台所へ向かった。
父は、私のただならぬ様子に一瞬ギョッとした顔。
「おめ、あにやってんだ、そのかっこ」
しかし、母が味噌汁を温め直しに立ち上がりながら、
「また、ふざけて」
と笑いながら言うと、父もなんだぁという顔をして、新聞に視線を戻す。

「違うってば。首と背中がコチコチで・・・」私は半泣きで訴える。
「えっ、やだ、ホントに?」
「こっち来てみろ」
ヨタヨタと近づくと、二人は半笑いである。笑うなー、こっちは必死なんだよぉ!

「どれ」 父が首を触る。
「うぎゃっ!!」
「ここは?」 母が背中をなでる。
「どひゃっ!!」
「寝違えか?」 父が頭をぐいっと、
「ぎぃぃぃぁぁぁぁぁぁぁあああっっっ!!!!!」
本気で号泣した。

その日は日曜日だったのだが、母の同級生が橋の下で「骨接ぎ」をやっているというので、
電話をして無理やり開けてもらい、父の車で向かう。
ホントに橋の下の診療所である。
「あーこりゃあ、ひでぇ。・・・なんで俺ンとこ来ンの」
なんだかやる気のない先生である。(日曜に叩き起こしたんだから当然か)
「時間かけないと治らんよ、ま、一応、赤外線かけとくけど」
「時間・・・ですか」 明日は月曜である。東京に戻って出社しなければならないのだが。
「ストレスでもたまってんじゃねぇの? ぎっくり やるときゃだいたいそうだからよー」
ぎっくり首、ってことかぁ・・・。

東京に戻るのは無理だろうということになって、その晩は実家に寝た。
寝た、と言っても、一度布団に横になったら今度いつ起き上がれるかわからない。
仕方ないので、ダイニングテーブルの椅子にもたれて一晩を過ごした。
寝られたかって? いっぺん やってみい。

明けて、会社に事の次第を報告し、お休みを頂いて町の整形外科病院へ向かった。
診断は「寝違えのひでぇヤツ」。
やはり時間をかけないと治らない、と言われた。
「そんなに効くとは思えないけど、一応打っとくな」
何をするかと思えば、太い注射を出してきた。うげー。
筋弛緩薬(たぶん)を両肩に1本ずつ。いだいげど、ぜながよりはいだぐない・・・。

肩でため息をついていたら、医者が
「どうした、顔が白いぞ。気分悪くなったか?」
と訊くので、冗談半分に
「大丈夫です、私、色白なんです(これホントよ)」
と答えると、母が背中を叩いた。
「いでぇぇぇっ!!」
「はっ(そうだった)、ごめ~ん!」 母よ・・・。

そのまま家へ戻ってくれるのかと思ったら、父は車を球場へ走らせた。
なんなの?! と思ったら、その日は、弟の高校野球地区予選の試合だったらしい。
娘の体より息子の野球かい、父よ・・・。

そんなこんなで、結局3日間、会社を休み、実家で静養した。
木曜から出社したが、会社でも上半身の動きはぎこちなく、
「下手なブレイクダンスみたい」と、こともあろうに例の年上の後輩に笑われ、
張りついた笑顔で奥歯をギリギリと噛みしめるmidori であった。

・・・・・・みなさん、ストレスと寝相には くれぐれも注意しましょう(泣)。

 

 

 

 

  

このエッセイを気に入られた方は、ポチッと お願いします。


nice!(11)  コメント(22)  トラックバック(0) 
共通テーマ:健康

nice! 11

コメント 22

武田のおじさん

がははは~っ。笑っちゃいけないと思いつつ、思い切り笑ってしまいました。ゴメンチャイ♪
さぞかし痛かったでしょう。それはほんと痛いほどよくわかる。(^^;)
わたしもギックリ腰で1ヶ月も入院しましたから・・・。
痛くて、ひっくり返った亀さん状態でした。手足は動くけど身体は痛くて一切動けなかった。
それにしても、相当ひどい寝相だったのですね。見てみたかった~。(笑)
by 武田のおじさん (2006-02-20 11:32) 

香織

 ぎっくり腰もぎっくり首もまだやったことありませんけど、軽い寝違えならいつも……。同じく寝相の悪い私です。
 ぎっくり腰になった友人がやはりストレスだろうなと言いました、実際その人もストレスの塊のような時期でしたし、midoriさんの体が休んでくれよーっと発信していたのでしょう。
 しかしもっと軽い発信にしてくれなきゃ、休んでも苦しいなら元も子もないというか休んだ意味がないというか、出社しても例の年上後輩につまんないことほざかれたりしてw やーでしたね。
 
by 香織 (2006-02-20 14:07) 

綺華

はぁ・・・ストレスなんだ・・・。
実は私も、むか~し流行った「健康枕」と言うものを購入し、使った翌日
背中から首にかけて、動かすと激痛が走り、息も出来ないほどで
やっぱり接骨院に駆け込んだことがありまして・・・。
接骨医の先生には、「健康枕使って不健康になるんじゃマズイよね」
なんて笑われるし、治るまで1ヶ月通院したし、midoriさんの記事を
自分の事のように読んで、大笑いしてしまいました(爆)

保育士という職業病で、二十歳の頃から腰痛持ちの私は
接骨院の常連でもあるので、今でも「寝違えてない?」とからかわれます。
ちなみに、私は下手なロボットダンスみたいだと夫に笑われてました。
by 綺華 (2006-02-20 14:19) 

一体ドコがどうなったんやろ!?ごっつ痛そうやな〜って思って読んでたら…
寝違いのヒドイやつって(T▽T)
最近は大丈夫ですか??笑

会社って長くいると責任の重さに苦しくなりますよね(−ω−;)
新人であっても仕事は責任持ってせなアカンけど…何か違いますよね(´Д`;)
オィラ「ヘッポコ」なもんで、9年努めて耐えれなくなって逃げました(ノ ̄∀ ̄)ノ♪
もう十分やろ!と自分で満足して退職したので妙な「やり遂げた感」がありました(笑)

ストレスの無い世界に行きたいですね(TωT)
by (2006-02-20 14:19) 

midori

武田のおじ様 nice!ありがとうございます。
なんでも、私の寝相は「ほっとかれた操り人形のよう」だったそうです。
コワッ。

香織 様 おこしやす。
普段と同じことしてるのに突然病気になったり傷めたりするときは、
ストレスが引き金になっていることが多いようです。
そう。ほざかれた(泣)。でも、その人は上司にもほざく人だったので、
間もなくサヨナラしましたよ。

ayaka様 nice!ありがとうございます。
ぶっ。すみません。健康枕で寝違え・・・。
ぶっ。ごめんなさい。下手なロボットダンス・・・。

(畄_畄)様 nice!ありがとうございます。
普段はあまり寝相は悪くないほうです(と思います)。
あっ。でも、昔、朝起きたら、自分と掛け布団の間にかけてた毛布が、
いつの間にか くるくる巻きになって、私の隣で寝ていたことがありました。
あかんやろ。
責任の重さねー。まさに今! 痛感しております。
あーあたしってダメ人間。あああ電話の相手に怒鳴られたぁ(泣)。
また ぎっくり やりそう。。。
by midori (2006-02-20 18:53) 

goinkyonosora

とても興味深い寝相だ(^^;
隣で寝てみたいぞ!
私もそうとう寝相悪いらしく、旅館に泊まると隣の部屋までゴロゴロ移動していることもあった…
キックして障子破いていたことも(--;
by goinkyonosora (2006-02-20 19:00) 

midori

おぺ様 nice!ありがとうございます。
ぐふ。一緒に寝てみます?
あーでもやだ、ゼッタイおぺさんのキックが飛んでくる。
旅館・・・大丈夫だったんスか?
by midori (2006-02-20 20:50) 

先日はnice!、ありがとうございました。
もう元気です。みなさまのおかげでございます~。
寝違えってあんまりした記憶が無いので、プロ野球選手が
寝違えて休んだなんていう話を「ふんっ」なんて聞いてたんですが、
ホントにエライことになっちゃうんですね~。オノレの体を痛めながらも熟睡してしまう人体の不思議に驚愕してます。いやホントに^^
by (2006-02-20 21:59) 

さいがわ

私もよく首が痛くて起きられないことがあります。
妻が行きつけの整体師にぐきぐきやられて、その後治りました。
整体師の技が効いたのか、効かなかったかはよくわかりません。
by さいがわ (2006-02-20 23:15) 

midori

MINIPOLO様 nice!ありがとうございます。
よかった、よかった。
「寝違えの痛みを知らない人は人生の痛みの半分も知らない」
なんてことをよく言いませんが。つらいもんですよ。

いいだや様 nice!ありがとうございます。
整体も、良いの悪いの いろいろですから、お気をつけて。
by midori (2006-02-21 10:19) 

小坊主つばめ

どこにも持っていきようのない怒り?ですよね・・・。ネチガイ・・・。いや、ギックリクビ・・
今後もお気をつけください・・。気をつけようないか・・。
by 小坊主つばめ (2006-02-21 11:10) 

midori

小坊主つばめ様 こんにちわ。
怒りというよりも「どうすんべ?」とは思いましたね。
なにせ、出社どころか、東京に戻るのも無理だったので。
田舎帰らなきゃよかったと思いました。
(ま、帰らなかったら ぎっくり いってない、という説もあるわけですが)
おかげさまで、あれからは、寝違え自体ほとんどありません。
バンザイ状態のまま熟睡して(なんで?)、気がついたら肩が痛くて、
眠りながら少しずつ少しずつ腕を降ろしたことはありますが。
by midori (2006-02-21 14:00) 

siomame55

コメントありがとうございました。
笑っちゃいけないんですが、笑ってしまいました。
文章がおもしろくてwww
また遊びにきますね。
よろしくお願いします^^
by siomame55 (2006-02-23 10:07) 

midori

塩豆 様 おはようございます。
また是非是非おいでください!
by midori (2006-02-23 10:41) 

pingpong

起きようと力を入れたはずなのに、起き上がれない状況、よおく分かります(笑)。
私もある日何を思ったか、バドミントンを本気でやったら、次の朝、右半身マヒしてました。
ひどい筋肉痛で。
寝相に注意!!デスネ。
by pingpong (2006-02-23 14:04) 

midori

pingpong様 nice!ありがとうございます。
半身マヒ・・・そりは・・・。
寝相にはホントに注意!デス。
by midori (2006-02-23 18:42) 

すごいや!!

けど…。

なんか、いるって…。

人間にさえ見えなかった悲劇…。

おだいじに♡
by (2006-02-23 19:45) 

midori

shino様 nice!ありがとうございます。
新居や体調は落ち着きましたか?
そう。「なんか」扱いですよ。こんな優しい姉をつかまえて。
by midori (2006-02-24 10:21) 

midori

naoto様 nice!ありがとうございます。
けっこう前に頂きました? ごめんなさい、今気づきました。。。
by midori (2006-03-11 20:23) 

midori

mochi 様 nice!ありがとうございました。
by midori (2006-05-17 17:35) 

Sho

大変でしたねえ。
寝違えるのって防ぎようがないんだよね。なにせ本人は「寝ている」ので。
実は私も寝相がすごく悪いです。元連れ合いは「危険だから」といって途中から隣の部屋で寝だした。何でも「腹を蹴られる」のだそうです。
思い当たる節はあって、子供の頃旅館に泊まって朝目が覚めたら
襖が体の上に乗っていたことがあります。蹴って外したんだね。
by Sho (2006-07-15 15:36) 

midori

Sho様 nice!ありがとうございます。
うわっShoさんも、お気をつけあそばせ・・・^^;
by midori (2006-07-17 17:39) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

逃亡者高校入試も ドタバタなのだ ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。