*♪冬が 来ーれば 思い出すー ３ [専門学校・バイト時代]
【北陸 珍道中 ３日目】
輪島の旅館で目を覚ます。
真っ先に行くべきところは・・・そう！ 輪島の朝市ー！！
朝の弱いＹ子にプロレス技をかけて起こし（後で怒られた）、
ダッシュで朝食を食べてチェックアウト（それでも10時をまわっていたが・・・）。
外は雨。台風のわりには小雨。
時間が遅いのと、雨なのでやっていないかなと思ったが、
ある一角で観光客のためにやっていた。
本当の朝市は早くに終わってしまい、オバちゃんたちは朝食を食べて支度して
（わざとすっぴんでキタない割烹着で）第２部を始めるらしい。
周囲にもいろいろなお店があった。
天気は良くなりかけてきていた。ところが、ここが雨女の哀しいところで、
私が外に出ているときは降っていて、店や軒下に入るとやむ。
お店に入る。窓の外は雨がやんでる。
お店を出る。雨が降り出す。
頻繁に出入りを繰り返すと、しまいには、ヤケクソのように天気雨が降り出した。
「midori ～っ」 Ｙ子の低いー声が耳元で聞こえた。そっそんなことゆっても・・・。
輪島の駅（当時はJR）から金沢へ向かう。
駅の看板があるでしょ、駅名が書いてあって、その下に前の駅と次の駅が
書いてある、ホームのはじのほうに立っている白い看板。
輪島は終点の駅だったので、次の駅の場所には
「シベリア」
と書いてあった。こういうの好き♪
金沢に着いたが、昼をかなりまわっていたので武家屋敷めぐりは明日にして、
山の上にある「金沢水族館」に出向く。
ずいぶん寂れた水族館だなー、というのが印象。
「ラッコがいる」というのがウリらしいので、どれどれ見てやんべぇ、と
建物のてっぺんにあるラッコの水槽に行った。
東京の「サン○ャイン水族館」で、VIP待遇のラッコを見慣れている我々には、
衝撃的な光景だった。
山の上の建物の、それもてっぺんにある吹きっさらしの汚い水槽。
行ったら、ラッコ３匹が客などにお構いなく暴れまくっていた。
「？？？」
よーく見てみると、どうも「恋の鞘当て」らしい。
女子１匹に、男子２匹がセマっている。うわっキワドーい！！
体を折りたたんでヒーヒー爆笑する私とＹ子。
そこへ、小さい子どもを連れたファミリーがやってきた。
「ほらー○○クン、ラッコだよぉー」
あーあ、こんなとこに子ども連れてきてー。どーすんのかなーと思って見ていたら、
サッと顔色の変わったお母さん、いきなり
「ラッコさんケンカしてるから、あっち行こうねー！」
と、「もっと見たい」とむずかる子どもを引っ張って連れて行ってしまった。
また我々は大爆笑。
（ちなみに、この水族館は平成5年で閉館したそうです。合掌・・・）
駅前のホテルにチェックインして、食事に出た。
金沢駅周辺は都会で、東京都市部に住んでいる我々には、かなり物足りない。
居酒屋で食事し、カラオケボックスに行き、帰りにはドーナツを買って・・・
東京での日常と変わらないルートになってしまった。
「せっかく旅に出たのに、街はつまらんのー。ほとんど東京のコピーやから」
などと話しながらホテルに帰り、部屋のドアを・・・
開かない。
「どれ」 ガツッ
開かない。
「鍵開けたよね」「うん」「もっかい閉めて開けて」「うん」 ガツッ
開かない。
ガツッ ガツッ
開かない。
フロントに戻って訴え、ホテルマンに開けさせる。
スッ
「！！！」
「お客様、どうぞ」
「あ、あはははー、おっかしいなー」「さっきは全然・・・ねぇー」
「ごゆっくり」
「すみませーん」
「とんでもありません」
バタン
「押せばよかったんじゃん！ 恥ずかしーなーもー」
「何よーアンタだって引っ張ってばっかだったでしょー！」
「んもー二人してバカみたい」
「ホテルの人慣れてんだろね、眉一つ動かさなかったよ」
「あーもー寝る寝る、おやすみ」
「あたしも」
ドーナツは完全に無視され、金沢の夜は更けてゆく・・・ （つづく）
このエッセイを気に入られた方は、ポチッと お願いします。
ラッコのケンカなんて、なかなか見られないから得しましたね（＾＾；
by goinkyonosora (2005-12-21 13:13)
おぺ様 早速のnice！ありがとうございます。
最初ナニしてるのかわかんなくて・・・じっくり見てしまいました（笑）。
by midori (2005-12-21 13:34)